どじょう日記

アジサイが咲きだした。

空梅雨気味なので、花の色もなんとなく艶が足りないような・・。

玄関の花瓶に、アジサイを３本生けた。そこだけ、梅雨らしい気分。

夕方、そうべえが庭に出てひとしきり花を眺め、やおら花鋏をとりにもどってきた。

手には、４本の真っ赤なバラの花。そうべえ、お気に入りのバラだ。

そうべえ、おかるの作り上げたパステルカラーの梅雨の世界に、自己主張の強い赤いバラを差し込み、去っていった。

おかる、憮然。

バラを一本引き抜き、別の花瓶に差し替える。

これでバラとアジサイは、３対３になった。

おかるは、ふと考える。

この花瓶は、おかるとそうべえの、異文化の衝突である。しかしながら、３対３の均衡が取れたところで、新たな文明に融合されたのである。

おかるの壮大な考察をよそに、そうべえは自分の生けたバラにご満悦なのであった。