welcome!2007/06/08 21:00

姉妹都市のアメリカ、グリーフイールド市より、交流使節団がやってきた。

きょうはwelcome party.

今回、ホストファミリーは引き受けなかったが、娘がお世話になったこともあり、何人かと言葉を交わす。

市会議員さんが、おかるをいぶかしげに見る。

「おかるさんや、英語、しゃべれんのかい?」

「しゃべれるもなんも、ほとんどはったりだす」

毛色は違えど、同じ人間同志。動物的本能で気持ちは伝わるものなのだ。

特に、体格の大きな欧米人には、こちらも胸を張って体を大きく見せながら、気迫で圧倒しなければならない。

この処世術も、みんな牛が教えてくれる。

来週の水曜日には、グリーンフイールドの一行様が、我が家に農家見学に来る予定。

「日本農業の面子にかけて頑張りますっ!」

おかるは、ひとり気を吐いてきた。

ピーチ・ジュレ2007/06/09 20:42

「あ~、忙しい、忙しい!」

朝から、おかるは軽い頭痛気味。

ここのところ、嵐の日々が続き頭の中は、いっぱいいっぱい。

今日も交通安全母の会の研修で、山形へ出発するため、集合場所の公民館へ駆け込む。

「・・・・・・・・」

公民館には、誰もいない。

あわてて家にもどると、山形研修は来週であった・・。

昨日からの密かな落ち込みに、どよ~んと拍車がかかる。だが・・

「おや、あんた、床屋に行ってきたのかい?」

男ぶりのあがったそうべえに、おかるの心も回復の兆し。

実家からもらった、100%国産桃ジュースで、ゼリーを作る。

巷では、ゼリーを「ジュレ」と、おフランス風に呼ぶのがはやっているらしい。

クリームと桃缶でおしゃれした桃ゼリー、「ピーチ・ジュレ」と呼んでみよう。

おかるはたちまち、おフランスの「ドジョーヌ、オカルレアン公爵夫人」気分に浸ったのであった。

三角2007/06/10 21:22

笹ちまきをどっさり作った。

そうべえの地域には、笹ちまきを食べる風習がない。

そのため、この時期になると、実家にわざわざ帰って笹とイグサを調達する。

笹を三角に折ってもち米を入れ、上からもう一枚の笹でふたをして、イグサで縛っていく。

これを大鍋の湯で1時間煮る。湯気とともに立ち上る、笹とイグサの良い香り。

全部で40個作った。

笹の抗菌作用もあって、この梅雨時期に、常温で置いても4~5日平気である。昔の知恵の素晴らしいことよ。

おかるの小さい頃は、台所でおっかさんとばあちゃんが二人で笹ちまきをこさえていた。小学校のころは、弁当代わりに、笹ちまきとビニールに入った黄な粉を持たされた。

おかるも、自分の子供たちに、弁当代わりに笹ちまきと黄な粉を持たせた。

次代に伝えたい、食文化。笹ちまきは、子供たちにとって、母親文化のルーツでもある。

この笹ちまき、おかるのおっかさんの実家では、「三角」と呼ぶ。

おじゃるまる弁当&三角2007/06/11 13:43

今日は弁当の日。

昨日作った三角をもたせようと思ったが、それだけではがっかりするかも。

そこで、スカウトしたのは、おじゃるまる。

烏帽子の部分は、ソーセージで雰囲気。

思春期の嵐が、おじゃるまる弁当で、まったりまったりしてくれないかなあ・・。

2007/06/12 20:54

最高気温が29度。暑い日となった。

昼に、冷たいそうめんをゆでて、皆の帰りを待つ。

ところが、じっちゃんが、帰ってこない。裏口には、昼前にじっちゃんが摘んできたえんどう豆がちゃんとおかれている。

12:30になった。おかるが裏口から辺りを見回すが、何の気配もない。

「この暑さでまさか、まさか具合でも・・?それとも山にカラ竹でも採りにいったんだべか?」

噂をするうち、12:45分。じっちゃんが、ひょいと蔵の前に現れた。

「たぶんこのペースじゃ、時間を間違えたんだな」

そうべえの予想通り。じっちゃんは、部屋に入るなり時計を見てゲッ!と驚く。

「腕時計が、1時間遅れてた・・・」

聞けばじっちゃんの時計は、最先端のエコドライブ式の電波時計。

「どうも、最近、遅れるんだな」

おかるは、じっちゃんに聞きたい言葉をぐっと飲み込んだ。

(じっちゃんの腹時計も1時間遅れていたことになるんだべか?)

暑さに誘われ、夜、そうべえとおかるは蛍探しのドライブに出かけた。

いつもの沢沿いに、蛍がひとつ二つと舞っている。

蛍のシーズンがいよいよ始まったようだ。

ミニ講和2007/06/13 20:25

今日も暑い日。

暑さに打ち勝とうと、昼は「ビビン麺」に初挑戦。

冷麺のようなこしの強い麺に、辛味噌を絡めていただく。トッピングは、ゆで卵、きゅうり、トマト、焼肉にキムチ。

「汁がないんだな・・」そうべえ、大困惑。

いうなれば「ビビン麺」は麺に辛味噌を絡んだ、スパゲテイーナポリタン状態。

丼に入った麺を、箸ですくい上げればすすりたいのが日本人(?)。しかも辛くてしょっぱいから、水気が欲しくなる。

「あたしゃ、二度と作らないよ・・」

デビューを飾ったビビン麺は、打ち上げ花火の様に消えていった。

だが、ビビン麺で落ち込んで入られない。

午後からは、市内小学校でミニ講和。読み聞かせについてのお話しだ。赤ちゃん連れの若~いお母さん達が勢ぞろい。

20分の短い時間で、ちょっと物足りなかったが、熱心な質問も頂き、今度は1時間ぐらいお話できればなあ・・と欲を膨らませて帰った。

Japanese farmer siprit!?2007/06/14 21:11

姉妹都市、グリーンフイールドご一行様が、農場見学にやってきた。

おかるとそうべえは、お昼休みもそこそこに、お迎えの準備でおおわらわ。

なんといっても、日本農業の代表なのである。生半可なおもてなしでは、侍魂ならぬ、農家魂の名がすたる!

まず、そうべえが牛舎を案内する。アメリカ農業研修2年間で積み上げた英語力で、「wagyu」について解説。

年代ものの蔵や、裏山の木を見てもらい、「伝統」を強くimpress!

中庭に用意したバーベキューコンロで、和牛肉を焼いて振舞う。肉のランクはもちろん「上」。おかるも、財布の紐をぎりぎりこじ開け、奮発した。

「アメリカノギュウニクトハ、アジガチガイマ~ス」「トテモ、オイシイデ~ス!」「スバラシイ!」「アメリカデモ、タベラレマスカ?」「オカワリクダサ~イ!」

賛辞の声に、そうべえ深くうなずく。

「一切れ、2ドルだって教えてやったらいいべか?」と、おかる。

そうべえは、その必要なし!とおかるに目配せする。

(高い安いの問題じゃない。日本農業人としての魂の問題なのだ・・!)

忙しく肉を焼くそうべえの後姿は、そう言っていた。