羹に懲りて膾をふいてくだされ2007/07/03 20:24

今朝、牛の餌やりに行って見つけた、悲しい景色。

運の悪いのが1頭、柵の間に首を突っ込んで立ち尽くしている。

何かの拍子に頭が入ったのだが、抜こうにも角がじゃまになって立ち往生の様子。

じっちゃんも、苦笑い。「牛にもいるんだ。こういう頭の悪いのが・・」

様子見するというので、おかるは用足しへ。家にもどるや、牛舎に行ってみると、問題の牛は悠々と餌を食べていた。

やっぱり心配になったじっちゃんが、孤軍奮闘、ぎりぎり牛の頭を捻じ曲げて、柵から抜いてやったという。

江戸から帰ったそうべえに、顛末を報告。そうべえも苦笑い。

「たまにあるんだよ、こういうことが。要領の良いやつは、頭の抜き方も覚えて、出たりはいったり自在な牛もいるんだ・・」

「きょうの牛も、頭の抜き方覚えたべか?」と、おかる。

「いいや!」と、じっちゃんが箸を休めて突然、話の中に入ってきた。

「あいつは懲りて、二度と頭つっこんだりしねえべよ・・!」

じっちゃんの確信に満ちた声は、牛の頭を柵から抜いたときのどんなに大変だったかを、如実に物語っていた。

どうかどうか、羹に懲りて、膾をふいてくだされ!

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