風の声を聞け2007/11/13 20:32

昨日は、木枯らし1号が吹き荒れた。

強い風に引きちぎられ、雑木山から小枝や葉が空に舞う。

唸りを上げる風の音を聞いて、おかるは首をすくめた。冬がまた一歩ちかづいてきたことに、軽いめまいを覚える。

同じ風の音を聞いても、じっちゃんは違う。

木枯らしは、干し柿作りのサインである。

さっそく、昼過ぎから竹さおを片手に、柿もぎを始めた。

夕方晩御飯の用意に母屋へ行くと、柿でいっぱいのコンテナが3つ。

「明日は、干し柿作りだぞよ」

コンテナが、じっちゃんからのお告げを、おかるに語って聞かせた。

農民は風の色を見る。風を味わう。そして、風の声を聞く。

さながら、聞き耳頭巾をかぶっているのかもしれない。