魔法鍋2008/01/14 21:33

今日はどんと祭。

山から取ってきたミズの木に、団子をさして部屋に飾ると、もちの花が咲いたように、ぱっと明るくなる。

そして、今夜の食事は家長の出番。

おかるが、小豆だけやわらかく煮込んでおく。

その鍋へ、じっちゃんが米と団子を投入し、小豆粥を炊く。

その名も「暁(あかつき)がゆ」。

一年に一度だけめぐってくる、暁粥。今年の出来は・・・。

「うぬ!これは、今までにない上出来!」と、おかるも絶賛。

なんといっても、焦げていない!(毎年米の量が多く、どんどん水を吸って膨れ、下のほうが焦げ付いていたのだ)

じっちゃんも、ごまんえつで鍋の中を覗き込む。感心したような声を上げる。

「うぬ!しかし不思議なもんだ。ちょぴっと作るつもりが、どんどんふえてくるんだなあ・・これが!」

「そりゃあ、魔法の鍋かも知れんな・・・」おかるは、心の中でそっとつぶやいてみた。