信頼2008/01/24 20:49

牛舎へ行くと、母牛は元気だった。ほっと安心。

しかし感染症の危険があるから、ここ1週間は気が抜けない。

牛舎わきに、子牛が横たわっていた。まもなく、業者が引き取りにやってくる。

子牛の黒い体の上に降り落ちる雪・・雪・・。あんまり寒そうなので、おかるは、側にあった白いビニールを子牛の上にかけてやった。

以前、立松和平さんの「酪農家族」という児童書を読んだ。

よく取材してあって、感心した覚えがある。後書きにも共感した。

「酪農家と牛は信頼で結ばれている。人は、牛の信頼に応えるために餌と安全を与え、牛は命をさしだす」・・・だったような気がする。

「牛を市場に出すときはさびしいでしょう?」と、よく聞かれる。

そんな時はあえて「札束にしか見えません!」と言い切る。

牛飼いには生活がかかっている。甘い感傷は無用である。

それでも、牛との間に結ばれる信頼が、牛飼いの心の支えなのだ。

そうべえが、偽装騒ぎのときにぼつりともらした。

「偽装やごまかしをするのは、本当の百姓じゃない」と・・。