金の斧銀の斧2008/06/07 22:54

今日のおかるは朝から運が悪い。

靴下が滑って、派手にひっくり返ってしまった。

その拍子に尾てい骨あたりをひどく床に打ちつけ、おかげで一日のスタートがどんより・・。

午後から用足しに出かけ、ついでにガソリンを入れることにした。

スタンドのおじいさんは、新顔店員の様子。

満タンを頼むと、おじいさんの口から『5638円です」と衝撃の数字が・・!

車無しでは暮らせない田舎の暮らし。ガソリン高騰は辛いです。

泣く泣く、財布の中からピン札の1万円を取り出し、おじいさんに渡す。すると・・・。

「レシート先にお渡しします」と、手渡されたものは、1万円札ではないか~!

(まあ!ありがたく受け取って・・・、いえ、だめ、だめよ!)

瞬時の葛藤の後、「これは、受け取れません」と、正直者のおかる。

だはは!と笑いながら、おじいさんはおかるの手から1万円札をもぎ取り、代わりにレシートを握らせた。

物語に出てくる正直者の木こりは、「泉に落とした自分の斧が、神様の差し出す金の斧ではなく鉄の斧です」といって、金、銀、鉄のすべての斧を手に入れた。

おじいさんは、神様の仮の姿ではあるまいか。

(この際、ガソリンも1万円札もレシートも、全部おかるにくれたりしないのかな・・・?)

などと考えるのは、尾てい骨が痛くて頭が朦朧としているせいです!

君の名は?2008/06/08 20:49

阿武隈川の河川敷で、そうべえは草刈仕事。

おかるが、むかえに行くと、土手にはちょっとかわった雑草が群生している。

この草の名前・・・知りたいなあ。

大仕事2008/06/09 21:21

夕方、急にお産になった牛がいた。

困ったことに、母牛の緊張がひどく、子牛の面倒をちっとも見ない。

初乳を飲まなければ子牛は弱ってしまう。

仕方なく、人工初乳を鍋で煮溶かし、哺乳瓶に入れて飲ませることになった。

まずは子牛に指を吸わせ、哺乳瓶の乳首を当ててやる。なんとか
700CCを飲み干してくれた。

さてお次は母牛の番だ。

母としての本能のスイッチを入れるには、乳を飲ませるのが一番。

母牛を固定し、子牛を誘導して乳を吸わせようとする。

が、母牛は後ろ足でガツリ!と子牛を蹴飛ばしにかかる。

何度試してもダメなので、そうべえが乳を搾り、哺乳瓶で子牛に飲ませてやった。

縄を解かれた母牛は、おどおどと子牛にちかづき、背中をぺろりとひとなめした。

明日の朝まで、子牛が無事でいてくれますように!

おけらケラケラケケラケラ!?2008/06/10 23:11

牛小屋に向かう途中、足元に見つけた一匹の「おけら」。

漢字で書くと『螻蛄」。

もみ殻の海の中を、せっせと平泳ぎで進んでいく。

畑でおけらの好物のはジャガイモが実りつつある。

「おけらや。これから、どこさいくの?」

「ジャガイモレストランさ!」

「ちっとは、遠慮して食ってこいよ」

「ケ!?おけらケラケラケケラケラ!」

おけらは、捨て台詞をはくと、もみ殻の海にもぐっていってしまった。

キジの子も散る2008/06/11 21:10

河川敷での牧草つくりは最終段階。

丸めたロールにラッピングをして出来上がり。

おかるも、そうべえに飲み物とおやつの差し入れに向かう。

ロールに背もたれすると、ふわんと甘い干草の香りがする。

上空では、川の上を吹き抜ける風に乗り、ハヤブサが舞っている。

おかる、ふと、河川敷草地に住むキジたちが気になった。

「お前さん、草刈のときはキジも出てきたかい?」

「うむ、キジの子どもがわんさと出て来たよ。”蜘蛛の子を散らす”というが、まさに、”キジの子を散らす”とはあのことだな・・・」

キジたちは、どこへ緊急避難したことやら!

おかるは、キジの一家がともかくも無事で、うれしかった。

新居の住み心地2008/06/12 20:12

新しい家は、なんとなく心躍るもの。

山の新牛舎も、牛たちはのびのびと楽しそう。

細部まで計算されて作られているため、作業効率も格段によい。

おかるが車から降りると、牛たちがわ~っと寄ってくる。

好奇心の強い牛から先頭になってくるのが面白い。

「住み心地はどうでがす?」

「モウ~!とってもグ~!」って、あれ?

猛勉強の3週間2008/06/13 23:33

猛勉強の3週間だった。

勉強したのはおかるではない。長女である。

中学校での教育実習が、本日、無事終了。

あんなに勉強する姿をはじめてみた・・・・!(ガリ勉タイプではありませんでした!)

(安易に教師になってはいけない)と、どこぞの偉人が言っていたような・・。

激励の花束をかかえて帰ってきた長女は、おかるの目に、一回り大きくなったように映った。

先生方、お世話になりました。ありがとうございました。

*ちなみに、おかるもかつて母校の女子高で、生物の教育実習をした。お別れの日に、後輩達が小遣いを集めて贈ってくれたプレゼントは、牛のぬいぐるみであった。(そのころから、牛とは切っても切れぬ縁だったのかな?)