2009/01/08 20:13

そうべが、明日から雪が降るという予報をうけて、暗くなるまでぎりぎり田んぼの藁上げをするという。

おかる、山の牛舎でひとり先に、藁やりをした。

ひととおり、わらをやって牛舎から一歩出ていっしゅんたじろぐ。狐が一匹わきを歩いていくではないか。

ふさふさした尾っぽで、すぐそれとわかる。

狐は、まるでおかるなどそこに存在しないかのように、淡々と歩いている。

気づいていないはずはなかろうに、あえて無視し、神経を集中して距離をとっているのだ。

ひょんひょんと、上に跳び上げるような足取りなので、始め怪我デモしているのかと思った。

が、リズミカルな動きから、これは狐独特の歩き方なのだと、すぐに考え直した。

狐は、夕闇の中、土を削り取った急な山の斜面を、するすると登っていく。

てっぺんは、杉木立だ。

やがてその姿は、山の中に消えていった。