不幸な国の幸福論2010/03/24 17:45




不幸な国の幸福論:加賀乙彦著を読む。

著者は御年80歳になる、精神科医で小説家。

引用された、フランクルの言葉が印象に残った。

「人間が生きることには、常に、どんな状況にも意味がある。人生に期待するのはやめて、人生から自分が何を期待されているかを考えよう」

他人ではなく、自分の手に人生を取り戻すことが、幸福の条件であると筆者は言う。

日本社会の問題点を、具体的な数字を挙げてあぶりだす第2章「不幸増幅装置」ニッポンをつくったもの:も興味深い。

もうひとつ印象に残ったのは、「ゆっくりのススメ」。

「ゆっくり」や「待つ」ことで、命そのものが持つ力がうまく引き出されるという。

ボ~っトしているわりには、せっかちで急ぎすぎるわが身には、ずしりと響く言葉であった。

*連載代2話の初校が届く。サイクルが早く感じられ、うかうかしていられない。