先生、巨大コウモリが廊下を飛んでいます!2010/03/27 22:38



「先生、シマリスがヘビのあたまをかじっています!」のシリーズ、「先生、巨大コウモリが廊下を飛んでいます!」を読む。

タイトルのつかみはばっちり。

今回も、鳥取環境大学の動物達と人間を巡る珍事件を、人間動物学の視点で解き明かしていく。

学生らの通報で巨大コウモリを探し当てた小林教授は、棚ボタ式にコウモリの洞窟を発見する。

これは、単なる偶然ではなく、関心のあるものに集中したがためにより出会いやすくなったという、脳の癖によるものだという

ヘビとハムスターが同時に逃げ、研究室の中で必死の救出作戦が展開されるが、・・・・。

大学林で教授が母アナグマに襲われた?という噂が、いっきに広がったことから、神話と伝承をつくり出す人間の脳の癖が観察される。

ヒミズ(モグラ)を食べたヘビが、体に穴をあけて死んでいたのを発見したことから、人間が因果関係を把握したいという欲求をつよく持つ動物であることが観察される。

化石に棲むアリという机の上の生態系小宇宙、動物を“仲間”と感じる、擬人化という認知様式、柿の種をまくタヌキは植物を遺伝的劣化から救う動物である、など興味深い話も満載。

この本を読み、自分が何故、生物がこんなに好きなのかも納得した。

人間の脳には、狩猟採取をしてきた歴史から、生物の習性に興味を持つプログラム(バイオフイリア)が組み込まれているという。

バイオフイリアが服を着て歩く小林教授と、ちょっぴりお仲間になれてうれしい読後感!

同じにおいを感じる「笑う哲学」の土屋教授と、是非対談して欲しいものだ。