被災地からの声2012/01/07 15:58

毎週日曜日、朝八時から、NHK仙台で「被災地からの声」という番組を放送しています。
忙しい時は録画して、毎週、欠かさず見ています。
現場の声もさながら、アナウンサーの津田さんが、自身も石巻出身ということもあり、被災者の身に沿った率直なコメントを添えてくれます。
津田さんは、取材を基にした講演活動もしていて、講演を聞きに行った人から、印象に残る言葉を二つ聞きました。
*福島の人は、遠い目をしているんですよ。
*被災地で何が一番必要だと思いますか?ずばり、お金なんです。
現場をくまなく歩いて、言葉を拾い上げる津田さんのコメントは、切実なものがあると感じています。
今日の河北新報には、「うずくまる瓦礫」という言葉がありました。
膨大な瓦礫は行き場もなく、「現地で処分」を求められています。
被災地の人が、じっと唇を噛みながら、うずくまる姿に重なるイメージでしょうか。
白石の越河地区は、干し柿の産地ですが、今年は畑に、柿が実をつけたまま立っています。
農家の人も、柿の木が哀れで、切り倒すこともできないことでしょう。
汚染稲わらも、未だに各農家が保管しています。(なぜか、責任を持たされて!?)
小学生の子を持つ農家仲間は、「あそこの藁には、おめら、ぜったい近づくなよ」と言い聞かせています。
冬になって、今度は、薪風呂やストーブの灰が問題になっています。
灰になることで、容量当たりの放射性物質が増え、濃縮される形になるからで、焼却灰からは、途方もない数値が出ています。
「灰の処理、どうすんのかねえ?」と、山間に住む農家と話をしました。
「中間貯蔵施設に持っていくんだべ」という答えが返ってきましたが、だれも、その中間施設が自分の住む場所の近くに来ることはお断りでしょう。
だれかが押し黙ったまま我慢するのを、じっと息をひそめて待っている・・それが当たり前でありませんように・・。
さて、「被災地からの声」に話を戻すと、12月最後に放送された「丸森町編」の男性は、「愛の対極は無関心」という言葉を、ボードに書いていたのが印象に残りました。
東北エリアの番組ですが、要望が相次ぎ、12月に3度、全国放送もされたようです。
東北以外でご覧になりたい方は、NHK仙台に要望を入れていただければ、また全国放送も可能になるかもしれません。

コメント

_ 農婦 ― 2012/01/07 23:39

被災地の声はできる限り聞かなければならない、という強迫観念のようなものが私たちにはありますが、身近に感じていない人達にとっては日々関心が薄れていくのではないかという危惧があります。
何事もなかったかのような娯楽番組のオンパレードに、その内容もさることながら、こんなことに電気を浪費してよいのか?と思います。(アンテナ君が取捨選択をしてくれたらいいのに。)
使ったものの後片づけは使用者全員で引き受けなければならないはずです。片づけには無関心で、散らかし続けることは許されません。
現状を発信し続けて、被災地だけが不当にこれ以上の負担を受けるのを避けなければならないと思っています。
それにしても、、、軒下の干し柿、、、悲しいことに昨年のようには美味しく感じず、なかなか減りません。(責任者出て来ーい!)

_ どじょう ― 2012/01/08 10:48

>農婦様 誤解を恐れずに書けば・・、取り込んだセ○○ムは、驚くほど速いスピードで排出されることを、体験上(残念ながら牛さんで)知っております。農婦様の愛しの干し柿・・美味しく愛でながら食べることができますように・・・。

_ タワシ ― 2012/01/08 12:42

確かに被災していない方々にとって、震災は風化しつつあるように感じています。どんなにテレビ・新聞等マスコミが情報を流し続けていても・・・。
ある歌手のライブで、「見上げてごらん夜の星を」を笑顔を浮かべながら歌っている姿を観ても、そんな感がしました。
現在東京に住む次男が言うには
「所詮、こっちでは既に他人事になってるんだよ・・・でも、春休みになったら同じゼミのやつが被災地にボランティアに行くんだって!聞いてみたら、被災地出身のやつだった。俺もボランティアに行こう!と思ったけど、考えたら、おばあちゃんのところにいくべきだ!って気づいたよ。」
そのおばあちゃんの家は、震災で半壊状態になっているため、家の一部を修理中。来てくれるのは3月になるまで待ってほしい・・・との要請が来ました。
ところで、そのおばあちゃんの家の柿も今年は何故か例年になく豊作!我が家に沢山送ってもらったので、美味しく、あっという間に食べてしまいました。

_ どじょう ― 2012/01/08 18:38

>タワシ様 他人事・・、これはもう当然のことだと思います(決して非難ではありません)。それを、分かったうえで、何とか少しでも共感しようとするのが、人の心の側面だとも思います。人にとって、共感を得られない孤独ほど辛いものはないそうですから。(その意味でも、コメントくださる皆様に、感謝しています)
おばあちゃんの家、うわぁ・・半壊ですか・・。生活が落ち着かずに、ご苦労されていることと思います。少しでも早く、生活のリズムが取り戻せますように・・。
幸せな柿のお話、私もうれしいです。

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