バランス2012/01/08 16:56

恥ずかしながら・・牛の柵が、ここ1週間ほど壊れたままです・・。
ここの住人は、大変気の荒いメス牛です。
わらやりをしていると、「もっとおいしい乾草をよこせ!」と、飼槽に前足を乗り出してまで、要求してきます。
常に体を前に乗り出して、通路にこぼれた乾草をなめるので、柵がすぐにがたがたになるのです。
牛という生き物は、隙をついて、ひょいと逃げ出してしまいます。
でも彼女は、不思議と、逃げません・・。(あんなに気が荒いのに!)
これだけすき間があったら、さっさと逃げ出して、たらふく乾草が食べられるのになあ。
柵を壊れたままにしておく、飼い主も飼い主だと、自分でもちょっとあきれてはいるのですが・・。
実は、そうべえもおかるも、なんとなく、わかっているんです。
「あいつは、ここから逃げださないんだな・・」って。
それから、わかっていることは、もうひとつ。
「柵をなおしたら、ちょうどいい具合まで、またこわすんだべな」って。
このすき間は、牛と飼い主の、微妙なバランスで成り立っています。
でも、やっぱりいいかげん、何とかしたいと思いますっ!

米のとぎ汁発酵飲料2012/01/09 17:04

有機農業をするお友達に誘われたので、大河原町で開かれた講和会に行きました。
出遅れて講演の部は聞き逃し、参加者のデイスカッションの部のみの参加でした。
この集まりの趣旨は「子どもの立場から放射能問題を一緒に考えよう」というものです。
子育て真っ最中の親、農家、市会議員さん、学校関係者の方が、遠くは南相馬からかけつけていました。
地元の知り合いも、ちらほら!
強い危機感を持った方が多いので、ぼ~っとしている自分はちょっと場違いな感じもしましたが、みなさんの危機意識を聞き、自分も発言する中で、やっぱり見えてくるものがありました。
司会が臨床心理士の先生だったから、余計に自分の心が整理されたのかもしれません。
自分の中で改めて確認したことがあります。
*子供たちに決して絶望を教えないこと。(そのためには、大人の姿勢も問われるんですね)
*自分の頭で考え、決めたことについて生じる結果とリスクについては、自分でひきうける覚悟を持つこと。(大人としては当たり前かも・・)
*他の方から、「御用学者」という言葉も出ましたが、自分にはなかなか受け入れにくい言葉でした。悪か善かで裁くのではなく、どのような立場から発言されているのかを見ると、より分かりやすいような気がしました。
休憩に、米のとぎ汁発酵飲料がふるまわれました。
こどものために、リンゴジュースを加えて飲みやすくしたという、若いお母さんたちの涙ぐましい努力を感じました。
初めて飲んでみましたが、ちょっとすっぱくて菌系の香りがして、舌にぴりっとして・・あれなんだか懐かしいこの感じ・・!
郷土の伝統食、「漬け柿」にそっくりです。
そういえば人間は大昔から、時代時代の大きなリスクと向き合いながら、必死に生きてきたんだよなあ・・そんなことを考えたら、ちょっとだけ気持ちが軽くなりました。

明日が農始め2012/01/10 16:25

朝から大忙し。
じっちゃんがこうしてたっけな・・と、記憶をたどり、部屋を片付け、燭台、盛り塩、水、祝儀を用意し、準備は万端!
さらに細々と片付け物をしながら、住職さんの来報を待っておりました。
農始めの日には、近くの祈願寺(神道の催事も行うお寺)に、一年の農作業の安全を祈ってもらうのです。
ところが、いつまで待っても住職さんは現れず・・。
仕方なく、お寺に電話しました。
たはは・・、農始めは、明日でした。
そうべえに話をすると、「おれも11日だと思ってたよ」と、平気な顔をして言います。
「それなら、教えてくれたらよかったのに~」と、文句を垂れるおかるに、そうべえ、しらっと言い切りました。
「あんまり自信たっぷりだったからさ」
思い込んだら突っ走るのが、おかるの悪い癖。
田の神さんから、「頭を冷やせ」というお告げですね。
明日は、澄み切った気持ちで、住職さんをお迎えしたいと思います。

雪うさぎ2012/01/11 14:46

冬型の太平洋側特有の現象で、ずっとカラカラの天気でしたが、久しぶりに雪が降りました。
「どうです、雪うさぎでも作りませんか?」
雪に、そう誘われました。
今日の雪は、不思議な触感がします。
サラサラでもべたべたでもなく・・・、小さく握った雪玉を転がすと、面白いようにくるりと雪を巻き取って大きくなります。
雪玉を置いて手をはなすと、手の平は決してぬれたりせずに、むしろからりとしています。
そのせいか、雪の冷たさもやわらかく感じます。
南天をうさぎの目にして、「難を転ずる」祈りを込めました。
雪うさぎを何処に置くかちょっと迷った末、タイムの植え込みの中に決めました。
植え込みの上ににかがむこむと、ふわっと頭の芯が目覚めるような感じがします。
溶けた雪から、タイムの香りを含んだ蒸気が、立ち上ってくるのです。
タイムの茂みに囲まれた雪うさぎに、居心地をたずねてみました。
「うさぎさん、ここ、気に入りましたか?」
すると、「ええ、まあまあね・・」という返事。
どうやら、もう少し、美人に形作ってほしかったようです。

震災から10か月2012/01/11 15:09

震災発生から10か月になりました。
もう少しで、1年になるのですね。
亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、いまだ3000人という行方不明の方が一日でも早く、家族のもとへ帰られますように。

しばれる2012/01/12 18:26

本日の最低気温は氷点下6度。しばれました。
家の外に出た途端、氷のような空気が顔にバンと当たってきます。
パソコンに向かっていても、指がかじかんできます(一応、室内なんですが・・)
思い切って、PC用の手袋を新調いたしました。
これから、申告に向けた膨大なるデータ入力が待っています。
なんとかこれで、申告を乗り切りたいと思います。
今日は本当に寒い日でした。
山奥から我が家に手伝いに来てくれた、牛飼い青年のO君に「寒さにびっくりしたでしょう?」と尋ねると、返ってきたのは「いいえ、ぜんぜん」という答え。
「寒いのが当たり前ですから…」と言います。
さらに、「山から出てくると、町に入った途端雪がないので、そっちに驚きます」とのこと。
人間の感じ方は色々なんですね。
O君の住むところには、熊も住んでいます。
おじさんは、マタギだったそうな・・。
一度O君の家を訪ねたいと思っているのですが、果たして生還出来るかな。

開拓者たち2012/01/13 09:19

正月から、BSのドラマ「開拓者たち」を、欠かさず観ています。
「国家の品格」で有名な藤原正彦さんのお母様、藤原ていさんの著著「流れ星は生きている」で、満州からの引き上げの地獄のような行軍を読んでいました。
今回のドラマは宮城県出身者が主人公なので、苦難を生き抜く姿と宮城訛り親近感を覚え、わがことのように感じてしまうのです。
終戦も知らされず関東軍に置きざれにされ、逃げ惑う人々の姿は、別な意味でもつい感情移入・・・・。
「開拓者たち」を観て、そうべえ、思索にふけっています。
「これほど世界に散らばって、耕した民族は、日本人ぐらいじゃないかな・・」と言います。
確かに、満州、アジア、南米と、いたるところで日本人は開墾をしています。
ここでのキーワードは、「耕す」です。
中国人も世界に散らばっていますが、基本は資本を元手にした商売です。
日本人は、「耕す民族」として特異なのでは・・というのです。
文化人類学の素養は、乏しいおかるとそうべえでございます。
「司馬遼太郎さんだったら知ってぺか」というにとどまる始末。
どなたか、示唆に富んだ文献など、紹介していただけたら、ありがたいことです。