糸子の体重計2012/06/16 13:15

季節風のお仲間、いとうみくさんのデビュー作「糸子の体重計」。
挿絵は、あさのあつこさんの「バッテリー」の佐藤真紀子さんです。
季節風に長く連載された短編が、ひとつになったこの本は、出版が待ち望まれていた、期待の1冊です。
各方面で、すごい評判になっています。
糸子、町田さん、高峯さん、坂巻さん、、・・・それぞれの人物が、愛情をこめて描かれています。
最後の滝島君では、もう、泣かされてしまいました。
人物表現も細部にわたってうまいなあ、すごいなあ・・と思いましたが、何よりもみくさんのまっすぐなまなざしが、こちらにまで伝わってきて、それに一番心動かされました。
人間は、それぞれ大事な物語を持っています。
皆が愛おしい存在であることを・・・、読み終わって、そんな想いを噛みしめることができました。

おねえちゃんって、もうたいへん2012/06/16 13:23

いとうみくさんの、2冊目となる「おねえちゃんって、もうたいへん」。
かつて先輩方からは「2冊目が出るのは本当に大変」と聞かされましたが、いとうさんは、なんとデビュー作に続けての出版です。
いとうさんへの期待度がいかに高いかがわかります。
読んでみて、もう、口元が緩みっぱなしです。
我が家の二人の娘たちが、もう一度小さくなって、目の前に帰ってきたような感じでした。
今度、長女に会ったら、やさしくしてあげたくなりました。

ヴァンパイアの恋人2012/06/16 13:33

越水利江子先生の「ヴアンパイアの恋人」(ポプラ.カラフル文庫)。
昨年の季節風大会の時に、執筆の様子をリアルにうかがっていただけに、本を手に取った時は、はやる気持ちをおさえきれませんでした。
母親をなくし、一人ぼっちになった少女ルナが、転校した学園で、事件に巻き込まれていきます。
父親の秘密、形見のペンダントの持つサスペンス要素に加え、ルナを取り巻く登場人物のゾクリとするほど魅力的なこと。
謎の多い美少年のエルゼアール、ルナに危険をもたらすアウトロ-少年のギデイオン、多くの鍵を握りそうな黒太子のケネス・・・。
読者の女の子たちは、夢中になってしまうことでしょう!
舞台設定もクリアで、ぐいぐいとひきこまれていきます。
RIEKOさま描く物語には、いつも強さを感じます。
「この物語を書くにあたって、わたしは、どんな漫画や映画やドラマにもない、あたらしいヴァンパイア・ファンタジーを書こうと思いました」
このあとがきの一文を読んで、RIEKO様の熱い魂に触れた思いがしました。
もう、8月の続編が、今から待ち遠しいです!!!