虔十公園林2012/07/06 20:01

「わたくしたちは、氷砂糖をほしいくらいもたないでも、きれいにすきとおった風をたべ、桃いろのうつくしい朝の日光をのむことができます。
またわたくしは、はたけや森の中で、ひどいぼろぼろのきものが、いちばんすばらしいびろうどや羅紗や、宝石いりのきものに、かわっているのをたびたび見ました。
わたくしは、そういうきれいなたべものや、きものをすきです。
.............虔十はいつもなわのおびをしめて、わらって杜のなかや畑のあいだをゆっくりあるいているのでした。
ある年、虔十はいいました。
「お母、おらさ杉苗七百本、買ってけろ」・・・宮沢賢治:「虔十公園林」より。
明日からアニメ映画の「グスコーブドリの伝記」が公開になります。
息子が「見るつもり」とメールをよこしました。
ちょっと見るのはつらいような気もしますが、いずれ、私も見るつもりです。
そして、あまり知られていませんが「虔十公園林」が好きです。
百姓の心には、虔十がいるような気がしています。