2013/01/20 19:33

山の牛舎から降りてくると、道路の真ん中に、もみじマークの軽トラックが停まっていました。
田舎ではよくあることなので、ゆっくりと車を進めていくと、軽トラの主は後方車に気が付き、車をそろそろと発進させました。
すると、軽トラの陰から現れたのは、狸です。
まるで、山から転げ落ちてきたように、杉の枯れ葉をたくさんつけたまま、小刻みに震えています。
前方で停まった軽トラからおじいさんが降りたので、続けて停車させ、同じように外へ出てみました。
狸は、朦朧とした様子で、前のめりのかっこうで、2歩進んではまたうずくまるを繰り返しています。
対向車も何台かやってきましたが、「何事か」とすぐにスピードを緩めて、狸をよけてくれました。
「もう長くねえんだべな」「車にはねられないといいですねえ」などと、見知らぬ同士が、狸を挟んでしばし会話を続けました。
狸の安全を確かめたところで、「ほんじゃ」と、現場を立ち去りました。
あの狸は、今頃、なじょしてっかなあ・・。