うばかわ姫2015/07/14 15:53

越水利江子先生の「うばかわ姫」白泉社招き猫文庫
うばかわとは、身にまとうと婆の姿に変わり、脱ぐとまた元の姿に戻る、不思議な衣です。
裕福な商人の家で何不自由なく育てられ、その美貌から、東国の殿の側室にと望まれた野朱(のあけ)。
輿入れの旅の途中に族に襲われ、追い詰められた野朱が淵で出会ったのは、謎の老婆。
老婆からもらった衣をまとった瞬間、野朱は醜い老婆と変わってしまうのです。
野朱を待ち受けるものは……。
文章から立ち上がる世界を想像する楽しみ、迫力ある描写とリズム・・!(うばかわ姫の世界が映画のように見えてきます)
なんどもうなりながら&ぞくぞくしながら、堪能いたしました!
美貌も若さも失った野朱が、様々な登場人物とかかわりながら、おごりや獣性という醜い皮を脱ぎ捨て、人として本当の成長を遂げていく姿に、心が震えます。
「生きるなら、お前の思いを果たせ!」
全編から、そんな強い思いを受け取りました。