空にさく戦争の花火2015/08/12 11:56

高橋秀雄さんの、戦争を語り継ぐ絵本「空にさく戦争の花火: 森田拳次  絵:今人舎」
戦後70年の節目の年。戦争体験者が減少していく中で、これからを生きる子供たちに、どうやって「戦争」を伝えていくのか。
「子どもたちの五感(おと、におい、ひかり)に訴えてはどうか」ということで、今回の企画を立ち上げたのが、高橋秀雄さんでした。
主人公のシンゴは、なくなったひいじいちゃんが、花火をとても怖がっていたことを思い出します。
なぜあんなに怖がったのだろう・・・と不思議に思うシンゴのもとに、ひいじいちゃんの戦友が訪れ、そのわけを語ります。
平和の時は美しいと思える花火ですが、ひいじいちゃんは、戦時中に体験した艦砲射撃の嵐がよみがえってしまうのです。
戦争になんか行かなかったら……。戦争なんかなかったら……。
シンゴは、ひいじいちゃんと、花火を楽しく見たかったなあ・・と心から思うのです。
挿絵は、戦争をよく知る漫画家の森田拳次さん。
子供たちと大人が一緒に読みあいたい絵本です。
そして、音や光、においを通して、戦争のむごさが伝わってくる絵本です。
私の祖父は、パイロットとして中国の戦場に行きました。
一緒に寝ていると、よく祖父が夢でうなされ、大きな叫び声を上げていたのを思い出しました。