アサギをよぶ声 新たな旅立ち2015/11/06 18:27

川成美さん「アサギをよぶ声 新たな旅立ち」(スカイエマ 絵、偕成社)
「アサギをよぶ声」は3部作で、「新たな旅立ち編」は2巻目にあたります。
舞台は、江戸時代でも、平安時代でもない。「古代」です。
誰も見たことがない「古代」を、リアルに作り上げてしまう、森川さんの凄みのある筆致に、唸らされます。
1巻目では、何か因縁があるらしく、村の人びとからは距離を置かれ、女ながらに戦士になろうと様々な努力をするも、戦士になれなかったアサギの姿が印象的でした。
人生はままならないものである・・・けれども、何度でも夢にむかって挑戦することはできる。
アサギに、そんな思いを重ねたくなります。
2巻目も、アサギは様々な困難にぶつかります。
女屋で機織りにいそしむも、村人が次々と消えていく事態になって、アサギは密かに真相を追いに出かけるのです。
いつのまにか、読者もアサギと同じ困難を体験し、どんどん引き込まれていくのです。(私も、滝つぼの中に落ち、枯葉に埋もれました~!その感覚がリアルに思えるほど細密な描写でぞくぞくしました)
3巻目はまもなく発売とのこと。
実に楽しみです。
森川さんには、季節風大会でお世話になりました。
どんどん新刊を出されている方独特のオーラといいますか、作家としての迫力を感じました。

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