オオカミのお札2017/09/13 14:27

おおぎやなぎちかさんの「オオカミのお札」中川学 絵 くもん出版 …シリーズ三冊同時発売となりました!
オオカミ信仰をモチーフに、江戸、昭和、平成の、それぞれの時代の人の心を描いています。
おおぎやなぎさんの文章は、文学的な香りが高く、描写力にうならされます。
江戸の疱瘡、昭和の戦争、平成の大震災。
いつの時代も、人は理不尽な災いに苦しみ、祈らずにいられないのですね。
3巻のp109:4~7行が、強く心に残りました。(ぜひ、本で読んでくださいね!)

三冊に流れる、生きることへの人間の想いと願いが、ひたひたと読者の心におしよせてきます。
おおぎやなぎさんのデビュー作でもある、傑作「しゅるしゅるばん」の世界観にも通じるものを感じました。
京都のお坊さんが描かれたという絵も、びったり!見事なマッチングですね。
私のすむ部落の神様は「馬」ですが、阿武隈山系の村には、オオカミ信仰があったようです。
カヨ、正次、美咲は、一つの線の上でつながっています。
ぜひ、三冊揃えて読みたいシリーズです。