マレスケの虹2018/11/04 22:01

森川成美さんの「マレスケの虹:小峰書店」
マレスケは、ハワイ移民の祖父を持つ少年です。
米国国籍を持っていますが、白人、現地人、他の国の移民たちと、微妙に異なる位置で生きています。
1941年12月、真珠湾攻撃を境に、マレスケは、自分が何者であるのかを突きつけられていきます。
戦時中、日系の人々が、強制収容所での生活を余儀なくされたことは、ニュースなどでも報道されました。
また、アメリカへの忠誠を示すために、日系の若者たちが、前線で命を投げ出したことも…。
森川さんの作品を読むと、まるで映像を見ているように、当時のようすが立ち上がってきます。
描写と構成が素晴らしいです。
難しいテーマでありながら、読みやすく、心にしみる物語でした。
マレスケのi虹という、表題に込められた意味が、胸をうちます。
たくさんの方に届きますように。

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