土方歳三2020/03/17 17:45

越水利江子先生の「ストーリーで楽しむ伝記3 土方歳三:岩崎書店」
新選組、鬼の副長と呼ばれた土方歳三の、出生時から亡くなるまでの、波乱の人生が、力強いタッチで生き生きと描かれています。
武士としての誇りと高い理想像、困難な局面を乗り越えるために下さざるを得なかった冷徹な仕置き、その一面、情に厚かった人柄は、多くの人の心をとらえて離さなかったことに、胸を打たれます。
歳三は武芸にひいでていただけでなく、心情を託した短歌も残していたことを、本書で初めて知りました。
また、幼いころのことも、初めて知りました!
新選組だけでなく、歳三は会津戦争にも加わり、北海道へと渡り、五稜郭で戦死します。
会津は母の故郷なので、伯父たちから、戊辰戦争のころの話をよく聞かせられました。
ですので、会津藩士たちと共に戦った、歳三を思い浮かべてしまいます。
剣よりも、最新式の兵器が物を言うようになった時代。
洋装に断髪とした歳三の、時代を読む確かな才覚と覚悟も知ることができました。読み応えありの一冊です!

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