バームクーヘンとヒロシマ2020/06/25 14:54

巣山ひろみさんの「バームクーヘンとヒロシマ ドイツ人捕虜ユーハイムの物語:くもん出版」。
バームクーヘンといえば、神戸のユーハイム♥
しかし、ユーハイムのおいしいお菓子の裏には、戦争に翻弄された人々の物語があったのです。
第一次世界大戦では、日本とドイツは、敵国でした。
ドイツ人捕虜は、広島へつれてこられました。
収容所の暮らしは、まだ、人権が保証されていて、ドイツ人たちは、職人の技術を使い、暮らしを少しでも彩ろうとします。
そんな中に、菓子職人のユーハイムがいました。
バームクーヘンの角の部分が、どうやってできるかを本書で初めて知りました❗
ユーハイムが日本で作り始めたバームクーヘンは、ヒロシマの象徴的な建物で販売され、好評をはくします。
しかし、その後に…。
戦争は冷酷なまでに、ささやかな幸せを奪い取っていきます。
トマトのエピソードも、強く心に残りました。
本書を読んだ後では、バームクーヘンを食べるときに見える世界が、がらりと変わりました。
構成も文章も、とても良い本です。