亘理、山元へ2011/04/01 14:47


津波を受けた、隣町の亘理、山元町の被害がひどい。
次女が、亘理町の災害ボランテイアに行った。
現場は、いまだにぴりぴりとした緊張感に包まれている。
仕事は、壊れた家の泥のかきだしや、ガラスの破片ひろい、片付けなど・・。
避難生活に疲れ切って、やっと家の片づけにかかった家の人に「これ、どうしますか?」と聞く。
水に浸ったアルバムや思い出の品を、家の人の了解を得ながら、次々とごみとして処分していく。
次女は、泥だらけになって帰ってきた。
山元町を通って帰ったが、国道のすぐそばまでおしよせた津波の跡に、絶句した。
がれきと海水に覆われた田んぼ・・。
悲しくて悔しくて涙がにじんだ。
このがれきの一つ一つが、そこに暮らした人々の生活の歴史を刻んだものなのだ。

亘理へ2011/04/02 20:19

今日も、災害ボランテイアに行く次女を亘理町に送った。
亘理町へ通じる道路には、いまだ自衛隊の車両が頻繁に行きかっている。
年度が替わって首脳陣が防災服を脱いでも、被災地では、いまだきびしい生活が続いている。
今日は土曜日ということで、ボランテイアも前日の5倍近く来たそうだ。
大阪から来たスタッフのおかげで、効率よく仕事に振り分けられ、今日は物資の仕分け作業に入ったという。
次女は、現地でたくさんのことを見ている。
*役場の人たちは、自分の家が被災しても、避難所にも行かず不眠不休で、テレビも見る暇もなく働き続け、ひどく疲れていること。
*支援物資は量より質の段階に入っていること。(使い古しのタオルがおくられいてて、目をうたがったとか)
*物資はまわってきたのに、トイレが満杯であふれだしそうな状態であること
*ボランテイアには、全国各地から来ているほか、地元の高校生も参加していること(心強い)
*そして、被災地にあっては、目の前の「今」を生きることに、必死であること
月曜に、また、亘理へむかう。

イエローカードは、ぼくらの旗印2011/04/03 15:20


とんぼ先生の最新刊、「イエローカードはぼくらの旗印」を読む。
脳性まひ、筋ジストロフイー、先天性ミオパチー・・。
障害を持った子どもたちが、電動車いすサッカーを通して、成長し、一日を必死で生きていく。主人公の雄也君、ノア君、和馬君、遼太君・・みんなの成長に、こちらの心もかさなっていく。(ノア君の、まるで哲学者のような言葉に心打たれた)

エピローグの中で、「人はみんな試練を受ける。それがなんであろうと逃れられない」というフレーズがあった。

そして、「春に」という谷川俊太郎の詩もあった。
私にとって今年の春は、今までと全く違って、色と輝きを失っているように見える。

雄也君たちが、死と隣り合わせながらも必死で生き抜く姿に、大きな勇気を与えてもらった。
被災地の子どもたちにも、必ず届けます。
ありがとうございました!

児童文芸家協会2011/04/03 16:56

所属する、児童文芸家協会より、本が届いた。
なんと4箱も!
協会の作家様たちが、応援のメッセージも添え、子どもたちへの思いがたくさん込めて送ってくださった。
心より、感謝いたします。
被災地へ届けるために、明日から動きます。




亘理へ2011/04/04 16:57

今日は、子どもたちへ本を届けるため、亘理高校の避難所へ。
外には炊き出し用のテントがあり、高校の広い体育館は、避難された人々でいっぱいだ。
玄関近くの片隅に、体育用のマットを敷いたキッズスペースがある。
そこに、わずかながら絵本、漫画、雑誌、ぬいぐるみなどが置いてあった。
ボランテイアの青年たちが、トランプなどをして相手をしていた。

今週末に、子どものいる家庭は、小学校の避難所へ再編されるという。
避難所のスタッフに相談し、とりあえず絵本をキッズスペースにおかせてもらった。
再編の際には、スタッフが、被災した保育園を中心に配分していただけるそうだ。
角田市の読み聞かせボランテイアに声をかけ、明日の午前中に、いっしょに読み聞かせ活動もする。
送っていただいた絵本を、大事に届けます。

亘理へ2011/04/05 20:21

友人と、避難所へ絵本の読み聞かせに行った。
キッズスペースの前では、若い美容師さんが散発のボランテイアに来ていた。
更衣室に場所を設けてもらい、集まってきたのは、小学生ひとりと幼児が数名。
10時近くになっても朝食が終わらない。
天気も良かったので、小学生たちは、親と一緒に家の片づけに行った。
鳥の海近く・・・手が震えた。


次女は、片づけ作業のボランテイアへ。
大阪、神戸、北海道、愛知から来ている人たちは、車泊とテントで夜をしのいでいる。

まだら2011/04/06 20:20

今日も、亘理の避難所で読みきかせへ。
小学生を中心に、20名ほどが集まって、耳を傾けてくれた。
楽しく、笑えるものを中心に読んでいる。
帰りに、買い物のために近くの店に寄った。
店内は、品物も豊富にあり、以前と何も変わらないような錯覚さえ覚える。
しかし、天井崩落のあとを隠すためのブルーシートが、地震の記憶を呼び覚ます。
そして、買い物をする人にも、違和感を感じる。以前よりも殺気だっているように感じるのだ。
店を出て、海に向かって車で数分も走れば、そこは被災地だ。
日常と非日常がまだら状に混ざり合ったようで、頭の中がふわふわとしている。
家に帰ってから、心の中のもやもやを話してみた。
すると、「みんな、変わったんだよ」と、そうべえが言う。
「地震を境に、変わったんだよ」と、娘も言う。
「どう変わったの?」と聞けば、「意味のある人生とは何かを、ずっと考えている」とそうべえが言う。
「お母さんも変わったよ」と娘に言われて、どきりとした。