新年2012/01/01 20:18

新年には、先人の知恵を感じます。
辛いことも楽しいことも、一度区切るをつけることで、執着から心を解いてくれます。
今年も、たくさんの方に支えていただいていることに感謝しながら、日々の生活を送りたいと思います。
牛飼いとしては、「十牛図」も、心の隅に置きたいと思います。
1.尋牛(じんぎゅう) 2.見跡(けんせき) 3.見牛(けんぎゅう) 4.得牛(とくぎゅう) 5.牧牛(ぼくぎゅう) ・・・。
凡人ですから、まずは、自分の牛を探すことを目標にしたいです。
たつ年ですが、年の初めは、牛でスタートです。
どうぞ、今年も、よろしくお願いいたします。

初売り2012/01/02 20:37

長女と長男と一緒に、福島のおとやんに会いに行きました。
持っていったお土産よりも、持たされるお土産の方が多くなります。
風邪気味のおかるのために、せっせと暖房をいれてくれるおとやんです。
帰りに、電化量販店に寄りました。
長男が、社会人として初めてのボーナスで、家族のためになるものを一つだけ買いたいと申し出てくれました。
20年以上も使っている掃除機を新しくするか、ブラウン管TVを液晶に買い替えるか・・結局、掃除機を買ってもらうことにしました。
新しい掃除機で、家をきれいにしたいと思います。
これまでで、一番うれしい初売りになりました。

置き土産2012/01/03 16:20

夕べは長女が、今日の午後は、長男が根城に戻っていきました。
石巻に住む長女は、家の窓からちょうど紅白歌合戦の中継ステージ(長淵剛)の光が見えたそうです。
石巻の被災の辛い体験談を日々耳にしているだけに、天に昇らんばかりの光の柱に、胸を動かされた・・と話してくれました。
長女や長男から、いろいろなことを教えられる立場になりました。
車に乗った長男を、見送りに来たそうべえが、ぼそり。
「正月も終わりだなあ・・」
そうですよ。
あわただしい暮れを引きずったままの、3が日でしたが、心を切り替えて、また日常のスタートです。(だから、今夜はカレーライスね!)
さて、長男を駅に送り、家に帰ったら、次女が笑っています。
やっぱりね~。長男が、携帯の充電器を忘れていきました。
来るたびに、何かしら忘れていき、そのたびにメール便で送っています。
置き土産、ありがとう!
これも、楽しい恒例行事ということで。

アンテナ君2012/01/05 16:21

新年早々、アンテナ君が倒れてしまいました。
固定ロープがさびて、切れてしまったようです。
屋根の上にゴロンと転がり、雪止めにかろうじてひっかかっているアンテナ君・・。
おりしもの強風で、いつ屋根から落ちるかと、心配で仕方がありませんでした。
けなげにもアンテナ君は、屋根に倒れたまま、アナログ放送だけは送り続けてくれました。
でも、画像はすこぶる悪く・・仕方がないので、思い切ってテレビを消してしまいました。
すると、なんと、心の平穏なことでしょう・・。
本にも集中できます。
アンテナ君は、正月休み返上で駆けつけてくれた電気屋さんのおかげで息を吹き返しましたが、この調子で、明日ぐらいまではテレビのお世話にならずに過ごせそうです。
震災後の停電による情報遮断と違って、自ら過剰な情報をコントロールし、いつでもまた情報にたどり着けるという安心感もあります。
テレビやPC無しの生活は、自分にはハードルが高すぎますが、ちょうどいい間の取り方を、アンテナ君が教えてくれたような気がします。

七草の準備2012/01/06 17:54

一日あれこれと雑用に追われての夕方、おかるは、ハッと思い出しました。
明日は七草。去年まではじっちゃんが籠に摘んで用意しておいてくれましたが、今年からはそれはかなわないのでした。
もう帳が降りるという頃、あわてて田と畑に出て、セリとナズナとハコベを、ほんの少しだけ摘みました。
田の泥たまりからセリを探し当てて手折ると、茎の断面から、みずみずしい良い香りが吹き出します。
牛舎へ向かうそうべえが、うす暗闇の中を、畑から引き揚げるおかるの姿を観止め、「何やってんの?」と、いぶかしげな顔をします。
「明日は七草だからさ・・」
おかるが、そう答えると、そうべえは「ああ・・!」と目を少しだけ大きくして、おかるの手の中の、セリとナズナの束を見ました。
そのままそうべえは牛小屋へ、おかるは台所へと、仕事に歩を踏み出しました。
背を向けて歩き出した二人の頭の中ではもう、香り高い七草粥が、ほっこり湯気をたてていましたとさ。

被災地からの声2012/01/07 15:58

毎週日曜日、朝八時から、NHK仙台で「被災地からの声」という番組を放送しています。
忙しい時は録画して、毎週、欠かさず見ています。
現場の声もさながら、アナウンサーの津田さんが、自身も石巻出身ということもあり、被災者の身に沿った率直なコメントを添えてくれます。
津田さんは、取材を基にした講演活動もしていて、講演を聞きに行った人から、印象に残る言葉を二つ聞きました。
*福島の人は、遠い目をしているんですよ。
*被災地で何が一番必要だと思いますか?ずばり、お金なんです。
現場をくまなく歩いて、言葉を拾い上げる津田さんのコメントは、切実なものがあると感じています。
今日の河北新報には、「うずくまる瓦礫」という言葉がありました。
膨大な瓦礫は行き場もなく、「現地で処分」を求められています。
被災地の人が、じっと唇を噛みながら、うずくまる姿に重なるイメージでしょうか。
白石の越河地区は、干し柿の産地ですが、今年は畑に、柿が実をつけたまま立っています。
農家の人も、柿の木が哀れで、切り倒すこともできないことでしょう。
汚染稲わらも、未だに各農家が保管しています。(なぜか、責任を持たされて!?)
小学生の子を持つ農家仲間は、「あそこの藁には、おめら、ぜったい近づくなよ」と言い聞かせています。
冬になって、今度は、薪風呂やストーブの灰が問題になっています。
灰になることで、容量当たりの放射性物質が増え、濃縮される形になるからで、焼却灰からは、途方もない数値が出ています。
「灰の処理、どうすんのかねえ?」と、山間に住む農家と話をしました。
「中間貯蔵施設に持っていくんだべ」という答えが返ってきましたが、だれも、その中間施設が自分の住む場所の近くに来ることはお断りでしょう。
だれかが押し黙ったまま我慢するのを、じっと息をひそめて待っている・・それが当たり前でありませんように・・。
さて、「被災地からの声」に話を戻すと、12月最後に放送された「丸森町編」の男性は、「愛の対極は無関心」という言葉を、ボードに書いていたのが印象に残りました。
東北エリアの番組ですが、要望が相次ぎ、12月に3度、全国放送もされたようです。
東北以外でご覧になりたい方は、NHK仙台に要望を入れていただければ、また全国放送も可能になるかもしれません。

畜産コンサルタント1月号2012/01/08 16:48

出版社の編集様から、うれしい連絡をいただきました。
畜産コンサルタント1月号http://jlia.lin.gr.jp/cali/info/に、「復興のシンボル「牛太郎」がつないだ小学生と肉牛農家との交流 ―「新潟県中越大震災」「東日本大震災」2つの震災を乗り越えて―」という記事が掲載されたのです。
東山小学校の先生が、牛太郎を巡る話を寄稿したものです。
その中で、「ぼくらは闘牛小学生!」を紹介していただきました。
同じ被災の痛みを共有する立場として、先生の文章にも、改めて感動しました。
牛関係者の皆様、畜産コンサルタント、お手元にありましたら、ぜひご覧くださいませ!