お見合い2008/01/08 14:41

母屋の坂を下りてすぐに、繁殖用の牛小屋がある。

お昼寝をしていると、なにやら騒がしい牛の声。

外を見て、「はい、ごたいめ~ん!」。

母屋の庭に子牛が一頭、あどけない顔に、黒い目をまん丸にしてこちらを見てました。

「やれやれ・・」そうべえ、寝ぼけ眼で腰を上げる。

子牛は、大人の牛にどつかれた勢いで、餌層と柵の隙間から外に飛び出すことがあるのだ。

「やれやれ・・・」おかるも、まだ夢の中をさまよいながら腰を上げる。

大人の牛と違って、子牛の脱走は分別がない分厄介なもの。

二人係で子牛の行く手をふさぎながら、母牛の下へと誘導する。

ふと子牛君、何を思ったか、母屋への坂を駆け上がったかと思いきや、くるりと向きを変え、そうべえに向き合った。

一人と一匹の間に流れる不思議な時空間。

「おまえな、さっさと母ちゃんのもとへ帰れや」

「えへへ。や~だもんね~」

後ろから眺めるエスパーおかるの耳には、そんな会話が聞こえてきたのであった。

*ちなみにこの子牛、すぐに自主的に母牛のもとへ帰還しました!

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