育苗ハウス物語2010/05/03 17:07

最高気温が20度にも達し、久しぶりに暑い日となった。

ハウスの中で、1時間かけて水掛をしていると、サウナ状態で汗が噴出してくる。

ある苗箱の上には、おかるが、気になっているものがひとつ・・・。

ミイラ化したカエルだ。

温かさに魅かれ、シートと苗箱の隙間に入り込んだものの、身動きが取れなくなったのだろう。

ふと、井伏鱒二の「山椒魚」が、頭をかすめる。

苗とシートの隙間で、カエルは、何を思っていただろうか。

自分の判断を後悔しただろうか。はたまた、びくともしないシートに、悪態をついただろうか。

もしかしたら、最後の呟きを、芽を出したばかりの苗が、受け止めてくれたかもしれない。

カエルに水をかけ、ふやかしてみて、そのあたりの事情を聞こうと試みるが、復元せず・・・。(当たり前だろうが!>

苗がぐんぐんと背を伸ばし、命を謳歌している。

田舎の、小さな育苗ハウスでの出来事でした。

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