たくさんの書評2011/08/02 19:16

たくさんの書評をいただきました。
まずは、7月25日付、徳島新聞です。子供用紙面なので、大きな取扱いに感激。
徳島にすむ、季節風の友人Tさんが送ってくれました。
ありがとうございます!

そして、月刊誌:家の光9月号にも書評をいただきました。、ありがとうございます!
全国の農家の主婦が読む雑誌なので、うれしさも倍増です。

読んでいて、思わず涙が出たのは、生活情報誌:仙台リビングです。
友人でもある、仙台在住の児童文学作家、佐々木ひとみさんが書評を書いてくれました。
作品の紹介ではなく、現在東北の肉牛肥育農家が置かれている苦悩にも、踏み込んで描いてくれたのです。
だからこそ、佐々木さんの生の声に、心を揺さぶられるような気がしました。
ありがとうございました。

「チョコレートと青い空」には、これまでもたくさんの書評をいただいています。
農業問題、フェアトレード、家族の葛藤、児童労働など、多くのメッセージに共感をしていただいた証しだとしたら、とても光栄です。
その中でも、「フェアであること」「無関心は最大の敵」というメッセージは、今の私が最も希求することでもあります。
子どもたちだけでなく、大人の方にも、読んでいただければ、幸いです。
書評を書いてくださった皆様に、心より感謝いたします。ありがとうございました。

SPRING2011/08/04 20:04

長女が夏休みを取って、1泊2日で過ごしていきました。
なんと、最近愛用しているという、電子バイオリンを持ってきました。
SPRINGを、10小節だけ弾いてくれました。
長女に伴奏を合わせるのは、6年ぶりです。
久しぶりに、楽しい時間を過ごしました。
きっと、応援に来てくれたのでしょうね。ありがとう。

今、田んぼは、まるで緑のじゅうたんのようです。
穂も出てきましたから、緑から黄緑、そして黄金色にと、趣を変えながら私たちの目を楽しませてくれます。
美しい景色も、景色として当たり前にあるのでなく、やはり農業が支えています。
1次産業は、ちょうど家の土台のようなものだと思います。
趣向を凝らした内装に目がいきがちですが、土台が崩れれば、家も崩れるのですね。

我が家の牛の事:その22011/08/05 21:57

最近、テレビや新聞の取材を受ける機会が多かった、そうべえ・・。
「汚染された稲わらを牛に与えた農家」として、矢面に立って発言しています。
夕方、同じ部落に住むOさんが,わざわざ応援に来てくれました。
親戚にも牛飼いが多いこともあって、そうべえのインタビューや記事、こちらのブログにも、心を痛めて駆けつけてくれたとのことで、本当にありがたく思いました。
Oさんは、放射能の影響について、強い憤りを吐露されました。
「「汚染された△」「汚染された○○」って言うけどさ、どんなに長くなっても、「東京電力の原発事故によって汚染された」と、ちゃんと前に加えて言ってほしいよ」といいます。
私も、その通りだと思いました。大事なところを省略しないでほしいと思います。
Oさんは、汚染の事実が、後出しのように、次々と明らかになってくることにも、怒りを抑えられないと、話してくれました。
Oさんとは、原発が爆発を繰り返していたころを振り返りましたが、、私の住む市は停電のため(1週間も続きました)、テレビの情報は入りませんでした。
東京や西日本の人たちが、リアルタイムで震災の状況を把握していたのとは、対極にいたのです。
ラジオや新聞だけが頼りでした。
地震発生から4,5日間は、市からの広報もなく、伝え聞く話ばかりで、何をどうしたら良いのかもわからない状態でした。
被災地の現場は、情報不足と食糧不足、ガソリン不足の混乱の中にありました。
3月の下旬に、行政からは、「えさのとりあつかいに注意しましょう」という、簡単なFAXが1枚きただけでした。
その後、畜産に関しては牧草の検査は公表され、明確な指示が入りましたが、ワラに関しては調査も指導も、全く入りませんでした。
今回の稲わらの問題にしても、行政も、当事者の農家は、これほど高い線量が出るとは考えもつかなかったのです。(我が家の春ワラは、中国製のガイガーカウンターで約5マイクロシーベルト)
それから、あまり心配もされていませんが、、汚染されたワラを使用していた農家は、何も知らずに高線量のワラの中で作業をしていたのです。
私自身も、相当量被ばくしたと思います・・・・・。
この状況で、東電から「汚染稲わらを与えたのは農家の過失」という文言が出てくることに、疑問を感じます。
Oさんの言うように、「東京電力の原発事故によって汚染された稲わら」と前に加えれば、責任の所在がはっきりするのではないでしょうか。
もちろん、生産者として、消費者の方に謝りたい気持ちに変わりはありません。
でもそれは、安全な食べ物を生産し、食べてもらう人の命を支えてきたはずだったと・・いうことにおいて、謝罪したという気持ちなのです。
汚染疑いの牛は買い上げになり、焼却処分となるようです。
安全な食べ物だけが消費者の方に届くように、信頼される基準値や検査体制の整備は心から望むところです。
一方、牛飼いとして、食べてもらってこそ生きる命に、申し訳なく思っています。
1頭の牛を育てるのには、2年半かかります。
難産や事故死や病気などの、さまざまな困難を乗り越えて育て上げた牛が、「セシウム牛」などと呼ばれて貶められることにも、言葉の軽さを感じます。
そんなことを語り合うことができた、Oさんの来訪には、元気をもらいました。
もうひとつ、元気をもらったことがあります。
先日、農業高校の学生さんたちに会う機会がありました。
「家畜の解体実習を通して、自分を生かしてくれる命の重みを感じた。牛も豚も鶏も、食べられることで、自分たちの命となっていっしょに生きていくのだと思う」
彼らの実感は、自分の体を通して掴み取ったものです。
世の中にあふれる軽い言葉とは一線を画す、地に足の着いた言葉だと思いました。

NHKスペシャル&BSを見て2011/08/07 13:15

昨晩、NHKスペシャル「原爆投下 活かされなかった極秘情報」を見ました。
日本の諜報部は、米軍が原爆を投下する情報を事前に知っていたのです。
アメリカの原爆開発などあり得ないと、現場の声に耳を塞ぎ、何の対策もうたなかった軍の中枢部。
そこには、隠ぺいと保身に走る姿がありました。
政府の無策のもと、無防備の人々の上に、原子爆弾は落ちていったのです。
「なんか、今とそっくりだね・・・・」
思わず、そうべえと、顔を見合わせました。
自分たちが追体験しているようで、背筋が凍る思いでした。
「これが日本の姿・・。またおこるんじゃないか・・」
予言のような老兵の言葉が、重く胸に落ちてきました。
そのまま、BSの「黒い太陽」を見ました。
どのようにして原爆が開発され、投下にいたったのかがドキュメンタリーで放送されました。
その中で、プルトニウムの毒性を調べるために、鉛で覆われた注射器を使って、自国の病人を使って人体実験をするシーンには、おどろきました。
戦争の狂気が生み出したともいえる、核開発の恐ろしさを、改めて感じました。

JICA東北と「チョコあお」2011/08/08 08:25

JICA東北の広報誌:プラザニュース8月号に、「チョコレートと青い空」を紹介いただきました。
ありがとうございます。
震災で活動がどうなるかと心配していましたが、JICA東北は着々と仕事をしていました。
山形で、インドネシアのパプア州人たちが、水稲技術の研修をしていたのです。
心強く思いました。

アフリカのソマリアでは、飢餓が大問題になっています。
世界の一方では、明日の命を生きることさえも切実なのです。
もし今の日本で、検査で安全にもかかわらず、焼却されてしまう農産物があるなら、ソマリアに届けたい気持ちもあり・・・、農家としては、複雑な思いです。
JICAの縁で、先日なんと!2006年に我が家にホームステイしたコロンビアのマルタさんからメッセージが届きました。
FACE BOOKでつながったのです。
彼女はスペイン語オンリー(我が家に来た時も英語は苦手だと言っていました)、私は英語でメッセージをやり取りしましたが、なんとなく雰囲気は伝わっと思います。
世界はつながっているのですね~!

praan2011/08/08 13:15

ツイッターやブログで発信する身ですが、時々、剣のような言葉に出会うことがあります。
自分の言葉も誰かを傷つけているはずなのに、自分が傷ついたとへこむなんて、恥ずかしい話です。
このところの放射能問題では、無防備に言葉を受け止めすぎて、落ち込んでいた時期がありました。
そんな時、「ネットは、こう使うんだよ」と、次女が動画を見せてくれました。
http://www.youtube.com/watch?fmt=22&gl=JP&hl=ja&v=zlfKdbWwruY
世界中で踊るMATTさんを見ていたら、なんともいえないうれしい気持ちになりました。
世界中ですごいアクセスで、有名になったMATTさんは、日本のCMにも出演したそうですが、あまり動画やテレビを見ない身なので、次女に教えてもらうまで知らなかったのです。
BGMの音楽も、とても美しく、何度もくりかえし聴きました。
歌詞となった、インドの詩人、ゴダールの詩も、心に強く訴えるものがありました。
なんとか楽譜が手に入らないかと思っていたら、作曲家のGARRY SCHYMANさんのHPにたどり着きました。
すでに、楽譜の公開は終了していたようですが、コンタクトの窓口があったので、音楽にとても感動をもらったことを、下手な英語でメールしました。
しばらくして、びっくり!
GARRYさんから、メールとともに、楽譜が添付されて送られてきたのです。
Praanのおかげで、生活の喜びが、またひとつふえました。
私たちは、同じ地球にあって同じ時間を生きています。
世界にはいさかいや反目、悲しみや喪失もうずまいているけれど、思いやりと信にもみちあふれている・・そんな思いにひたることができました。

助かった子牛2011/08/10 15:23

ここのところ、暑いです・・。そんな中、事件がおこりました。
子牛は、ちょっとした拍子で柵の外に出てしまうことがあるのですが、母牛も鳴いて、子牛を呼ぶので、遠くに行くことはありません。
それが、先日、生まれて1週間の子牛の姿がみえなくなったのです。
20年ほど前にも、生後1週間ほどの子牛がいなくなったことがあって、家族で山の中を探したことがありました。
その夜は、夜通し母牛が子牛を呼びつづけ、次の朝には子牛がひょっこりと戻っていました。
今回は、母牛があまりさわがず、ドライです。
牛飼い仲間にも応援を頼み、7人がかりで、汗だくになって近くの茂みや山の中を捜索しました。
しかし、山奥に迷い込んだのか、はたまたイノシシのあとをついていったのか、姿も気配もなし・・。
あきらめきれない気持ちのまますごした3日目、そうべえが、牛舎のはじっこにあるワラロールのほうから聞こえる、かすかな鳴き声に気づいたのです。
(ちなみに、秋に集めたロールです・・)
なんと、そこに子牛がいました。
はねまわった時に、すき間に落ちてしまったのでしょう。
何も飲まずに暑さの中を過ごした子牛は、脱水による熱中症を起こしていました。
点滴と、アイスノンによる手当で、子牛は、次の朝には母牛の乳を飲めるまでに、復活しました。
牛は時々、こちらの常識を覆す事件を起こしてくれます。
でも、助かってよかった~!