蜘蛛の巣城2007/09/22 21:11

ただいま、我が家は蜘蛛の巣だらけ。蜘蛛の巣城と化している。

蜘蛛もこの時期、子孫を残すために必死である。

が、通路の真ん中に、しかも顔の位置にこうも公然と巣を張られると、たまったものではない。

朝、そうべえが玄関から新聞をとって、茶の間に腰を下ろした。

「あらら・・」と、哀れむような声。

「どうかしたの?」おかるが台所から声をかける。

そうべえ、新聞にひも状に絡まった蜘蛛の巣をつまみ上げて苦笑い。

「新聞屋さんが、ひっかかったようだな・・・」

そうべえたちがまだ夢うつつのころ、玄関先では、新聞屋さんと蜘蛛との、密やかな死闘があったに違いない。

おかるは、細竹で玄関から庭にかけて、蜘蛛の巣を掃っていった。

巣が巻きついて、次第に綿あめ状になっていく。

「食欲をそそらない、綿あめであるな・・」

明日の朝にはまた、蜘蛛の巣城が甦っていることだろう。