続。竹の子屋おかる2008/05/09 21:36

「おかるや、昨日ひと釜残ってたの、気がつかねがったのか?」

昼、じっちゃんがおかるの顔を横目で見ながら、探るように言った。

「あれ?あったのすかや?わがんねがったな・・・」

おかる、うすぼんやりとした記憶をたどってみる。

(そういえば、納屋の中の釜に竹の子があったようななかったような・・・。)

「バケツの中に水張って、流しに置いたからな」

「あい・・・」

裏の流しに行ってみれば、ちゃ~んと、バケツの中で竹の子が待っていた。

まだ体調万全とは行かず、午後から医者に行く予定のおかる。

大きなタッパーに竹の子を移し、そのまま冷蔵庫の中へお蔵入り。

パタンと、扉を閉めながら心の中でつぶやいた。

(閻魔様・・。おらは、うそつきではねえんだよ。自分に正直なだけなんだでよ・・・)

はてさて、閻魔様は竹の子屋おかるを、いかにお裁きになるのでしょうや?