たそかれ2007/01/05 20:45

腰痛のおかげで、本をたっぷり読んだ。

梨木香歩「西の魔女が死んだ」。米原万里「他諺の空似」。小関智弘「職人言葉の技と粋」。中村柾子「絵本は友だち」。そして、朽木祥「たそかれ」。

「たそかれ」は、「かはたれ」の続編に当たる。「かはたれ」は、子河童の八寸が、人間の少女、麻の心の成長に深くかかわる物語だ。

「たそかれ」は、河童の不知の心の救いの物語。ここに、八寸や麻、さまざまな人物がかかわる。

河童と言う不思議な存在を軸としてめぐり合う人々。一瞬、萩尾望都の「ポーの一族」を思い出してしまった。

「たそかれ」は、薄暗くなった夕方は人の顔が見分けにくく、「誰だあれは」という意味で「誰そ彼(たそかれ)」と言ったと言う。妖魔が行き来する、魔の時間ともとらえられていたらしい。

また、「かはたれ」は、「彼は誰(かはたれ)」と言う意味だと言う。

魔法のエッセンスの中で、寂しさとはかなさの同居する「たそがれ時」のような本だ。だが、読後は、ほのぼのとあたたかさと希望が残る。

挿絵も良い。

シリーズ化されるのでは・・と言う淡い期待は、かなえられるだろうか?