北越雪譜2007/02/07 21:38

Aさんに教えていただいて読んだ「北越雪譜」、実に面白い。

雪国の風土や暮らしのエッセイに加え、時折差し込まれた「物語」に引き込まれる。

「くまにたすけられたおとこ」「雪の中の幽霊」「おぼれた漁夫」など、読み応えのある不思議な話が満載。

今日、図書館に出向いたら、偶然、「くまにたすけられたおとこ」を発見した。子供向けの絵本になっていてびっくり。

雪の中、遭難しかけた男が、くまの穴に落ち込む。もう絶体絶命かと思いきや、熊は男を自分の体で暖めてくれたばかりか、手までなめさせる。

熊は冬眠中の食料代わりに、アリをつぶして手に刷り込んでおくと言う。男がなめると、苦甘く感じたと言う。

男は、春まで熊の手をなめ、沢水を飲んで熊とすごす。やがて、雪解けのこ
ろ、熊に案内されて里に降りることができたと言うお話だ。

本自体は当初、旧文体で読みづらかったが、慣れるとこれもまた味わいがあった。

本来ならば、2月の雪降りを眺めながら読みたい本である。

今日は、4月上旬の暖かさ。それでも、さっぱり降らない雪の世界を、「北越雪譜」の中で、堪能することが出来た。