業師そうべえ2007/02/09 20:27

夕方から、雨降りの予報。

田んぼの藁運搬が、雨雲に追い立てられるように進んでいく。

自分の家の田んぼのほかに、よそ様のの田んぼの藁も、お願いして集めさせてもらっている。

あたりでは、春の田起こしの耕運機が稼動し始まった。

「藁、いづごろかたづぐんだべか?」田んぼの持ち主さんが、気をもんで訪ねてくるようになった。こちらも、ますます気がもめる。

そうべえは、今日を「決戦の日」と定め、朝からすごい勢いで藁を集める。

田んぼで、トラクターの荷台にうずたかくロールを積み上げ、家に運搬する。

トラクターを降り、今度は荷台の藁を、ボブキャットという小型トラクターで、納屋に移す。

ここが、そうべえの面目躍如である。

二段に重ねたロールを、重心のつぼを押さえて持ち上げ、落とさないように移動し、納屋に積み上げていく。

ボブキャットの移動のスピード、方向転換のタイミング・・。動きに無駄が無い。音楽のようなリズムさえ流れている。

一服用のコーヒーを持って、応援に駆けつけたおかるも、そうべえの技を目の当たりに、思わずつぶやいた。

「そうべえは、まさに、業師だな・・」