おかるとそうべえ、げんかつぎ2007/02/24 20:47

息子が受験のために、単身旅立った。

昼過ぎに出るというので、おかるは息子に、カツカレーを食べさせた。

息子は、仏壇に線香を上げ、元気に出発した。

夕方、メールで「無事着いた」の連絡が入り、ほっとしたり気をもんだり。

晩御飯の声がけに、茶の間に入ったおかるは、はっと一瞬息を呑んだ。

じっちゃんが、落花生をぼりぼり食べている。

節分のときは、わざわざじっちゃんが出してきた落花生を、親ばかのげんかつぎで、こっそり、炒り大豆にすり替えておいた。

(じっちゃんは、楽しみにしてたのにな。悪いことをしたな・・。)

おかるに変なげんを担がれた、落花生のほうも、良い迷惑だ。

じっちゃんは、ぼりぼりうまそうに落花生を食べる。おかるとそうべえは、ぐびりとお茶を飲む込む。

離れへ引き上げながら、おかるはそうべえの顔をのぞきこむ。

「あんた、落花生食べねのかい?」

そうべえは、ため息混じりに言った。

「受験が終わるまで、待つべや・・」

おかるとそうべえの、こんな小さなげんかつぎ。親バカと思わば、笑いなされ・・・・。