星に願いを2007/12/15 21:01

夕方、娘と番犬ハナちゃんを連れてお散歩。

外灯もない暗闇の田舎道。三日月のか細い月明かりだけが頼り。

空は満天の星。ついつい美しさに心奪われ、空を見上げたまま足をすすめる。

「あれが昴、あれがカシオペア・・って、どひゃあ!」

おかる、歩き慣れた道とはいえ、右足をくぼみに突っ込み、よろける。娘は横目で哀れみをなげかける。

田んぼの中の一本道を歩きながら、ふと心に浮かんだことが口からこぼれた。

「娘よ、お前は大人になったら、こんな星空の元に暮らすのだろうか。それとも、都会の光の渦の中で暮らすんだろうか・・」

「ん・・・・・」

娘は何も答えない。ただそれから二人で無言のまま、空を見上げながら歩き続けた。

雑木山のそばを通る。葉をすっかり落とした枝の間を、白く輝く星が流れていく。

こうして二人、冷たい冬の風に震えながら、星を見上げ歩き続けたことが、心の原風景に加わりますように。