どじょう日記

ぼくはサワガニです。
裏山の沢に住んでいるのです。
沢にはとてもきれいな水が流れていて、ぼくたちのほかに、ヘビトンボも住んでいます。
随分昔、人間のボクちゃんが沢にやってきては、ぼくたちと遊んでくれたんです。
「また、来年も遊ぼうね」そう言って別れて…もう何年が過ぎたかな。
ちっとも会いに来てくれないから、ボクちゃんを探しにやってきたんだよ。
ボクちゃんの家の排水溝を上って出たら、お風呂場って所に出ちゃったんだ。
「お～い！」って声をかぎりに呼んだけど・・・・、ボクちゃんはいない。
かわりにおばちゃんが来たから、「ねえ、ボクちゃんはどこにいるの？」って尋ねてみたんです。
おばちゃんは、「ごめんね。ず～っと遠くにいるんだよ。でも、サワガニがボクちゃんに会いに来たって、写メを送っとくね」って言ってくれた。
えへへ、ボクちゃん、ぼくが会いに来たって知ったら、どんな顔をするかな。
いっしょに遊んだ日のことを、思い出してくれるかな。
（母屋のお風呂場の物語でした）