○へい君に会う2008/04/16 21:42

花見も兼ねて、近くの沼へ、犬と散歩に行った。

ふと、耳に届く、少年達の元気な声。

「へ~いへいへい、○へ~い!へ~いへいへい、○へ~い!」

10歳ぐらいの男の子が二人。田んぼ中に響き渡る声で叫びながら、沼へと自転車を走らせてくる。

「○へい」とは、どうやら、坊主頭の子の、名前のようだ。

「へ~いへいへい、○へ~い!へ~いへいへい、○へ~い!」

二人は、桜並木のはずれに自転車を乗りつけた。しばし、立ち止まるや、「○へい」君が、一声叫んだ。

「うわ~!きれいだなあ~!」

腹の底から発せられた声が、純な響きをもって、おかるの心にリリリと鈴を鳴らす。

おかるは、「○へい」君の視線の先を振り返り、そして驚いた。

先ほどまで眺めていた風景が、美しさを倍増させて目に映るではないか。

(美しいと思う、その心が美しい・・)

おかるの脳裏によみがえる、「あいだみつを」のありがたい言葉。

帰り道、「へ~いへいへい、○へ~い!」とこっそりつぶやいてみた。

なんとも満ち足りた気持ちがして、自然と顔がほころぶ、おかるであった。