勉強の日2008/03/01 21:30

次々やってくるお客さんに、お茶を出し続ける日となった。

鹿児島のカリスマ獣医師、M先生が我が家を訪問。

牛飼い仲間も集まって、熱心な情報交換がなされた。

牛の餌にまつわるM先生のお話を聞き、中国、アメリカを含む世界とつながっていることを、しみじみ実感した。

風が吹けば桶屋が儲かる・・式に、穀物市場と投資ファンドは密接につながっている。

知れば知るほど、人間の欲で社会は動いていることを感じる。

牛飼いは本来癒しの行為であってほしいという、M先生の言葉が印象に残った。

ちなみに、M先生がDR.コトーの吉岡秀隆君に似ているように感じたのは、おかるの老眼のせいか?

探し物は何ですか?2008/03/02 20:32

暖かい日。

庭に出たおかるの足が、はっと止まる。

「み~つけた!黄色のクロッカス」

我が家でいっとう先に咲く花だ。すなわち、春がここにやってきたことを知らせる花。

窓越しに感じる春の日差しにまどろみかけていると、そうべえが緊迫した面持ちでおかるに尋ねる。

「へんだ!ないぞ!19年度申告書の控えが!どこだ?どこだ?」

「お前さん、またどっこかに持ってったんでねえの?」おかる、いやいや探すふり。

そこへ、「あり?!」と、そうべえ照れくさそうな顔。

「19年度の決算書、まだ提出してなかったっけ・・・!?」

耳をそばだて状況を聞いていたのか、茶の間でテレビを見ていた娘が、おかるを手招きする。

「おっかあ、この番組見たら?」

画面に流れるのは、認知症の特集だった・・・。

おかるにも、探し物はある。

本物の春が、早く見つかると良いな。

ひな祭り2008/03/03 20:20

ひな祭りの日。

今夜のご馳走は、彩りも鮮やかな散らし寿司&ハマグリのお吸い物。

娘が、ひとつのハマグリの殻に、実を二つ入れてくれと言う。

テレビで、「夫婦仲良くの縁起担ぎ」を紹介していたのを見たらしい。

娘が縁起担ぎしたいものを思って、ハッとする。

春から、良い出会いがありますように・・・。

晩御飯のあとは、雅な和菓子をいただく。

「ついこの間飾ったと思ったのに、もう片付けるのはもったいないな・・」

そうべえ、ひな壇が飾ってある部屋に行ってしばし鑑賞。

実は、あわてもののおかるが、今年はだいり様を右左逆に飾っちまった。

なんでも、それも「関西風、お公家様風」の飾り方だとか・・。

雅なことでございます。

めでたや2008/03/04 21:04

パソコン簿記に格闘していると、ぴんぽ~ん!と、呼び鈴が。

玄関に立っていたのは、近所のぜんつあんだ。

手渡されたのは、紅白の餅と記念品。

ぜんつあんの婆さまが、今日、めでたく「100才」の誕生日をむかえたのだ。

朝から、近所に祝いを配って歩いているという。

今もゲートボールに通う、近所でも評判の丈夫な婆様だ。

子ども、孫、ひ孫にやしゃごまで、全員数えると、112人になるという。

めでたい、めでたい!

欲たかり2008/03/05 20:42

いつものところから、ちょっと物を移動する。

すると、たちまち行く方知れずに陥ってしまうのが、このごろのおかる。

今日は、携帯電話の充電器を見失う。

「この間母屋に持って行って、またこっちに持ってきたはずなんだがなあ」

おろおろと探し物をするおかるを見て、娘が炬燵から飛び出した。

「おっかあ、おらが見つけたら500円な!」

そういうと、部屋から部屋へと執念のリサーチ。

ひえ~!なんと欲の深いことよ!

娘に500円ふんだくられたらたまらんと、おかるも必死に探す。

「あった~!机の下に隠れとった!」

見つけたのは、おかる。

500円が頭をよぎり、ほっと、胸をなでおろす。

そこで、ハタ!と気がつく。

充電器が見つけられたのも、娘の一喝のおかげかも知らん。

欲は、世界市場のみならず、おかるも動かす。

ちなみに、欲の強い人を、このへんでは「 欲たかり」とよぶ。

工事は進む2008/03/06 20:26

新しい繁殖用の牛舎建設が、スタートした。

工事は、急ピッチで進んでいる。

敷地は山の中にあるので、標高差で言えば、100メートルは高い。

ゆえに、気温も1度は低い。

おかるも、暖かい飲み物を差し入れに通う。

春の日差しの中、ここではまだ雪が舞う。

そうべえも、工事のお手伝いだ。

生き生きとした表情を見て、おかるはしみじみ思った。

「やっぱ、建てるのが根っから好きな人なんだなあ・・・」

真昼の決闘2008/03/07 23:08

暖かい日差しに誘われ、午後のコーヒーは、庭のウッドデッキで。

ふと、コーヒーをすするおかるの目に留まったもの・・・・。

「この間の大風で飛ばされた苗箱が、こんなとこに挟まったまんまだよ」

しみじみ眺めるうちに、自然のオブジェに見えてきた。

「お前さん、このオブジェに名前をつけてみっぺ」

「これがオブジェかよ・・・」

「気の利いた名前付けてみ!ほれ!早く!」

おかる、「仕事が出来ん、どんくさい」といわれるうらみをはらすため(?)時々このようにしてそうべえをしごいている。

「う~む。”アンバランス”はどうだ?」そうべえ、苦し紛れにひねり出した。

カ!カ!カ!と、おかる、高笑い。

「おらなら、”つむじ風の忘れ物”とつけるべな!どうでがす?詩的だべ?」

勝ち誇るおかるに、そうべえ、伏目がちの弁解。

「おれのは”芸術的”っていうんだよ!」

はてさて、軍配はいかに?