ポーン・ロボット2019/03/18 18:31

森川成美さんの「ポーン・ロボット:偕成社」
森川さんは、歴史物、幼年もの、リアリズムなど、さまざまな分野で傑作をうみだされていますが、この作品は本格的なSF!
主人公の少年、千明は、ある日、目の前を走る黒い男、そして、青い髪の少女とショートカットの不思議な少女に出会います。
その頃から、町の人が次々と消えていく事件が相次ぎ、ついには、千明の両親と家までが消えてしまい…。
妹の理央と、田丸という少年とともに、謎の解明に乗り出す千明。
青い髪の少女たち、そして、黒い男(ポーン・ロボット)の正体が明らかになっていくと、背景の恐ろしさにぞくりとしました。
どこに解決の手だてはあるのかと、ドキドキしながらページをめくりました!
自分の手を汚さずに命を奪うことの矛盾、住む場所や家族を失う悲しみなど、現実にも通じる問題も描かれて、深みを感じます。
最後まで読み終えて、ほっと安堵するとともに、考えさせられるものが心に残りました。
挿し絵は、なんと!「AKIRA」の原画作家でもある田中達之さん!
作品の世界観にピッタリです。

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