楓を味わう2011/02/20 16:47


庭の木を剪定していたそうべえが突然「お!」と声を上げた。
何事かと木の下に駆け付けると、切った楓の断面から、樹液がぷっくりと球を作って溢れ出している。
おかるの目の前に、樹液が大粒のしずくとなって、ぽたぽたと落ちてくる。
「これって、メープルシロップだよな」と、そうべえが樹液に口を付けた。
おかるも、思わず手のひらを盃の形にして樹液を受け止め、そっと舌先をつけてみた。
ほのかな青臭い香りと、さらりとした口当たりの中に、かすかに甘みを感じる。
楓を、味わってしまいました。