臨場2010/05/15 16:27



ただ今、17日からの田植えを目指して、代掻きの真っ最中。

そうべえが多忙を極める中、おかるは雑用に走る。

山の牛舎にスタンチョンをあげに行って、はたと足が止まった。

牛舎に一歩足を踏み込んだ所に、小さなネズミが仰向けに転がっているのだ。

すでに絶命していたのだが、なぜか「ぐえ!」という顔をしている。

「これは、何か事件のにおいがする!」・・・おかるの目が、鋭く光る。

体のどこにも、噛み傷もない・・・。すると、だれぞにふんずけられたのか・・。

目撃証人を得ようと試みるが、牛達は、目の前の干草を奪い合うのに必死である。

はあ~、そうですかい。

かくして、小ネズミの一件は迷宮入りとなった・・。世はことも無し。

淡水色の空2010/05/16 14:25



今日の空は、不思議に美しい。

真っ青な空ではなく、画用紙に、水彩の水色をうすく塗ったような空だ。

代掻き中のそうべえに、いっぷくを届けながら、問うてみる。

「青みが薄いのは、空気が水分を含んでいるからかねえ?」

「うむ、雲になりきれないものが、空に漂っているんだろうよ」

再び空を見上げると、ひんやりした風がほおをかすめていく。

ふと、子供のころ食べた、薄水色のハッカ糖が頭に浮かんだ。

田植え初日2010/05/17 20:37



今年の田植えが、いよいよスタートした。

昨日までの小寒い日々から打って変わって、初夏のような暖かい日となった。

牛飼い青年のO君の応援ももらい、順調に進むか・・と思いきや!

突然、田植え機が「ガツガツ」と大きな音を立てはじめ、田植えは中断した。

「ベルトか?ローターか?」必死で原因を探るが見当もつかない。電話で状況を説明し、機械屋さんに急遽来てもらうことになった。



車を飛ばしてやって来た機械屋さんは、「自分なら一発でわかる!」と豪語する。

「ほんとか~?」と、半信半疑のそうべえだったが、指示通り苗を植える部分を点検すると「これか!」と驚愕の声を上げた。

なんと、O君の胸ポケットから落ちたライターが、苗を植え込む爪の部分に引っかかっていたのだ。

「おう~!さすが、一発だな」と、皆の尊敬の視線が機械屋さんに集中した。

「神様から、タバコやめろってことだろう」とからかわれ、愛煙家のO君も首をすくめていた。

そんなこんなで、ササニシキは無事植え終わった。

明日はコシヒカリを植える。

夜空の数学2010/05/18 17:19



スタンチョンをあげに牛舎に向かうと、月と金星が帳の下りた空に輝いていた。

きれいだな・・と見とれていると、二つの星の間のちょうど真ん中を、飛行機が1機、飛行機雲を描きながら通過していった。

みごとにまっすぐ引かれた線は、定規を当てて、X軸を引いたようだ。

数学のグラフ問題が想起し、すると月の座標はプラスで金星はマイナスかと、面白さに口元がゆるむ。

すぐに飛行機雲は、釜戸からたなびく煙のようなものに姿を変え、夜空の中に溶け込んでいった。


一夜明け、今日は田植え2日目。

牛飼い仲間のS君夫妻の応援を得て、こしひかり、ひとめぼれを植える。

さすがに、夕方には腰がみりみり言い始めた。

明日とあさって、乗り切れるかな~!?

田植え3日目2010/05/19 19:56



今日はひとめぼれと、ホールクロップを植える。

おかるとそうべえ、二人だけの田植えとなった。

そろそろ腰が心配になってきたので、コルセットを装着し、なんとか一日切り抜ける。



重い苗箱を、畔にぽんと投げ出したら、タンポポが、「わあ!」と驚いたように綿毛を散らした。

田植え4日目2010/05/20 16:12




朝から雨の中での田植えとなった。

全身ずぶぬれでござる・・・・。

しかし、昼で一旦中断し、残り2枚は土曜日に植えることになった。

明日はおかる、お江戸に参ります。

早朝に家を出て日程をすごし、最終の新幹線で舞い戻らなければなりません。
はっと気づけば、忙しさにかまけ、準備は何も出来ていない・・【愕然!】。

とりあえず、迷子になりませんよう~に!

お江戸へ2010/05/21 20:52

田植えをお休みにし、お江戸に行ってまいりました。

早朝の新幹線に飛び乗り、まずは世田谷で用件をひとつ。

次に、市ヶ谷でがまりんさんと会う! 

「どじがま」隊の初顔合わせ! ハグだよ~!(相方さんも、ハグしたかったよ~!)



うらぴょん様、やぎおじ様、マーメイド様にも、すっかりお世話になり、お萩様にたくさんの素敵な言葉を頂く。
次に児童文芸家協会の総会、懇親会に参加。

とんぼ先生、漆原先生、協会の先生方、そして編集の方々、ありがとうございました。

SAFFIさん、まつこさん、祐子さん、のこ様、敦子さん、他にも書ききれない方々(まとめてすみません!)お会いできて、本当にうれしかったです。

懇親会に先立つ表彰式では、雲の上の存在である、あまんきみこ先と神沢利子先生のお話をマジかで聞くことができた。


お二人とも、そこに美しい立ち木がすっと立っているように、飾らずやさしいお人柄がにじみ出ていた。

たくさんの宝物をむねに、新幹線で岐路に着く。

夜中の12時近くに家に帰ると、みんなねとりました~!